ROEを知ろう
以前、銘柄の選び方(Ⅲ)でROEの話をしました。キャシュフローと合わせて一つの記事に記載しましたが、重要な指標の一つなので、今回改めて独立してROEの話をしたいと思います。
企業の稼ぐ効率を測る
ROEは自己資本利益率(Return on equity)の略です。PERでは株価と利益のバランスを見ていましたが、ROEは株主資本と利益のバランスを見ます。株主資本あたりどれだけ稼げているかを測ることで、企業の稼ぐ力(収益性)を図ります。
どんなに売上や利益が大きくても、元で(自己資本)が大きすぎれば効率が悪いと判断されます。
計算式をいれるとこうなります。
※ 1株あたり: (EPS ÷ BPS) × 100
評価の目安
%で表示され、数値が高いほど良いとされています。目安として8%〜10%以上で優良企業されます。米国株だと15%超も多く、お国柄があります。
借入金(負債)がを増やすと数値が見かけ上アップします。これは自己資本を減らして借入金で事業を回すため分母が小さくなるためです。ただ返済リスクも増えるため注意が必要です。
自社株買いでも自己資本が減るためROEは上昇します。自社株買いが発表された場合、ROEへどれだけ影響が出るかも試算してみましょう。
PERとの違い
株価を測る指標としてPER(株価収益率)があります。PERとROEでは評価主体が違います。
PERは利益と株価のバランスを見ることで株価が割安かどうかを判断します。
ROEは自己資本と株価のバランスを見ることで企業が効率よく収益を挙げているかを判断します。
最終的に株価への判断につなげていますが、評価内容が違うことに留意しましょう。
PERとROEの関係性
実はPERとROEを掛け算することでPBRという新しい指標になります。
PBR(純資産倍率)と言います。これは次回のブログテーマにしましょう。PBRは名柄検索で頻繁に使われる指標のため、覚えておくといいでしょう。
PBRの計算式
PBR = PER × ROE
ROEを見る際の注意点
ROEで銘柄を検索する場合に注意点があります。
借入資金でROEが上がる
先ほども書きましたが、自己資本ではなく借入金で事業を回すとROEは上昇します。対策として必ず自己資本比率(40%以上目安)とセットで確認しましょう。
一時的な特別利益でも上昇
土地や子会社の売却でもROEは上昇します。一方PERは減少します。対策として過去3〜5年程度の営業利益等をチェックして本業でしっかり稼げているか見ましょう。
業績悪化が引き金のケース
業績が著しく悪化(赤字)すると、過去に積み上げた利益剰余金を吐き出しています。すると、自己資本が減少するためROEの上昇要因になります。赤字だとROEは計算上マイナスになるため(当期純利益がマイナス)そこで誤解する人はいませんが、注意は翌年以降黒字転換した場合です。自己資本の減少した結果ROEが外見上良くなることがあります。対策として、過去数年において赤字による自己資本減少がないかチェックしましょう。
本日のまとめ
- ROEは自己資本利益率と言い、企業が効率よく収益を挙げているかを見る指標
- 日本株なら8%〜10%以上が優良の目安
- 分母が自己資本のため自己資本が減少するとROEは良くなる
- 自社株買いで数値が良くなるほか、借入金で事業を回しても数値が良くなるので注意
- PERとは密接な関係がある
投資は自己責任でお願いします。
